- 第131回(10月31日)『第1回食道がん局所療法研究会の開催報告』
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株主の皆様
随分秋めいてきました。朝晩の寒暖差激しき折、皆様ご健勝のこととお慶び申し上げます。
全社を挙げてラストスパートをかけてきたOBP-301の承認申請は、予定通りに書類整備も進み、臨床・非臨床・品質の各項目の最終化に向けて確実に歩を進めています。また臨床試験や製造にかかわる信頼性の調査に関しても書面による調査が進み、11月の半ばにはPMDAによるOBP-301製造をしているHenogen社(ベルギー)への査察も行われる予定になっており、当社もその準備をサポートしています。
また、承認から商品発売に向けての準備も進めており、物流や国内製造(最終パッケージ)に向けたシミュレーションも進められています。これらは、当社としては初めての経験であり、三井倉庫HD(株)とともにより良いサプライチェーンを作っていきたいと思います。さらに、商品生産調整に関しては、富士フイルム富山化学(株)とともに作戦を検討しています。
将来のマーケット戦略に向けた活動も開始されました。食道学会の理事長であり浜松医科大学病院長の竹内裕也教授を中心とした「食道がん局所療法研究会」を発足させ、食道がん治療の国内エキスパートの先生方に集まって頂き、現在神戸市で行われている消化器関連学会の期間中に第1回目の会合として実施しました。
この研究会では、食道がん局所治療のマーケットに関する専門家の考えを聴取し、OBP-301の適切な使用法について現場からの様々なご意見とともに、効能追加に関するご意見も聴取でき、将来の食道がん治療に関する新たな展開についても議論していただきました。今後、毎年開催してゆきたいと考えています。
最後になりますが、当社の共同設立者である岡山大学消化器外科の藤原俊儀教授は、今年に入りOBP-301研究に関する重要な学術賞を受賞されました。
「小林がん学術振興会 第19回小林がん学術賞」と「令和7年 山陽新聞社会事業団 第30回松岡良明賞」です。特に前者は大鵬薬品株式会社からの寄付によって運営され厳しい基準が設けられており、藤原先生の息の長い腫瘍溶解ウイルスの研究開発の功績が評価されたものです。この成果を事業化するために活動をしている当社にとっても、大変に名誉なこととして喜びに堪えません。今後、OBP-301の承認申請以降、商品発売に向けて数々の困難が待ち受けているかと思いますが、社員の叡智を結集させて前進してゆきたいと思います。
どうぞ今後ともご支援賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
2025年10月31日
オンコリスバイオファーマ株式会社
代表取締役社長 浦田泰生













