社長コラム

社長コラム 2019

第70回(1月7日)『2019年 年頭所感』

皆さま,明けましておめでとうございます。
亥年であり猪突猛進の年になりそうではありますが,年明け早々の円高と日経平均下落でマーケットが始まりました。
バイオ業界では,新年早々に大きなニュースが飛び込んできました。 アメリカ大手製薬企業BMS(ブリストル・マイヤーズ スクイブ製薬)が約8兆円をつぎ込んで,がん治療薬企業セルジーン(Celgene,USA)を買収したという話が飛び込んできました。
これは昨年の武田薬品のシャイアー買収額よりも更に大きなM&Aとなり,アメリカ大手製薬企業ですらもう新薬のネタがなくなってきたという危機感の表れではないかと思います。

一方で,昨年末には中国から驚きのニュースが飛び込んできました。
まず,アメリカのバイオ企業Fibrogen社がAstrazenecaと共同開発していた貧血治療薬が,なんとアメリカよりも中国で先に承認されたというニュースです。
これまでの中国の医薬品政策では,欧米で承認されたものを優先的に承認するというものでしたが,いよいよ中国も欧米レベルで新薬承認体制を取ってきたということを意味しています。確かに中国ではすでにオプジーボやキイトルーダ以外にもすでに複数の中国産チェックポイント阻害剤が承認されています。
更に,立て続けに上海工業投資ファンドが国家主体で設立され,約8000億円が拠出されたというものです。これはバイオだけのファンドではありませんが,中国は本気で世界の新技術や創薬事業に挑みかけている証拠ではないでしょうか。

12月31日の日経新聞の1面に「先端技術研究 中国が先行」という記事がありました。30項目の注目されている新技術テーマのうち,医療バイオ系が7つ,そのうち5つのテーマ(Zika,ゲノム編集,免疫療法,腸内細菌,細胞間シグナル伝達)についてはまだアメリカが世界第一位ですが,中国は2位から5位のポジションを取っていて,免疫療法以外は全て日本より上という判定です。
残りの2つのテーマ(核酸医薬,光熱療法)については中国が世界第一位なのです。
日本はいずれもその後塵を拝しています。日本はアメリカと並ぶ新技術研究大国だと思っている人は多いと思いますが,実はもう我々の横を中国が静かに抜き去っているようです。10年後には中国人がノーベル医学生理学賞などを総なめということもあり得るように思えます。

このような状況の中で2019年が始まりました。
当社はウイルス療法薬テロメライシンの開発を更に1段階前進させ,「がんを切らずに治す」新しい治療薬として国内外での治験を進め製造承認申請を目指すと共に,ライセンス活動を強化してゆきます。また,血中循環がん細胞(CTC)検出薬テロメスキャンも,がんの高感度検出を目指し,承認申請に向けて臨床試験を進めてゆきたいと思います。

インフルエンザが流行しています。どうぞ皆さまもご自愛くださいませ。

2019年1月7日

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