- 第132回(12月15日)『OBP-301承認申請の報告』
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株主の皆様
いよいよ師走本番、北風が冷たくなってまいりました。皆様におかれましてもご健勝のこととお慶び申し上げます。
お知らせしましたように、当社は12月15日にOBP-301の製造販売承認申請書をPMDAに提出することができました。当社が20年以上かけて、幾多の困難を乗り越えてようやくここまでたどり着くことができました。これもひとえに、株主の皆様のご指導、ご鞭撻の賜物と思っています。
思えば2004年のオンコリス設立から資金調達を開始し、2005年に初めてアメリカのFDA(米国食品医薬品局)とのFace to Faceでの面談を開始し、テキサスにあったIntrogen Therapeutics社と提携してOBP-301のGMP製造を急ピッチで進め、同時にアメリカでの各種非臨床試験を開始したころの熱気は忘れることができません。2006年には予定通りアメリカでの治験届(IND)を提出し、各種固形がん患者を対象としたPhase 1 臨床試験を開始することができました。
ところが、2008年9月に世界を襲ったリーマンショックの影響をまともに受け、追加の資金調達もままならず、当社の資金は枯渇寸前となり、OBP-301の開発は完全に止まってしまいました。当然、予定していたIPOも遠のいてゆきました。
しかし、オンコリスの共同設立者であり、OBP-301の考案者でもある藤原俊儀教授(岡山大学消化器外科)による臨床研究が2013年から開始され、OBP-301の食道がんに対する局所効果が明らかとなり、この結果が引き金となって今日の承認申請に至りました。
現段階でOBP-301の品質に関するいくつかの照会事項は残っていますが、臨床および非臨床に関する追加の照会はなく、来年早々にはすべての確認文書が入手できると考えています。
この度の製造販売承認申請は、OBP-301の「承認」に向けた入口であり、今後原則として半年間の専門部会などによる審議を経て正式に「承認」になる予定です。当社は可能な限り「通常承認」を目指してゆきたいと考えています。まだまだ予断を許さない状況ではありますが、一歩一歩「承認」獲得に向け社員一同邁進してゆきたいと思います。
2025年12月15日
オンコリスバイオファーマ株式会社
代表取締役社長 浦田泰生













